きっと、うまくいく
少し前に見たインド映画「きっと、うまくいく」。
10年以上前に作られ、かなり有名でもあるようだけれど、わたしは初見。これが実によかった。
超名門大学に入学したエリート大学生3人の大学生活。笑いいっぱい、時にシリアス。
わたしは基本的にコメディ映画が好き。でもコメディはいつもちょっぴり涙を必要としている。餡子をおいしく甘くするためにちょっとだけ塩をいれるみたいに。
その匙加減がどんぴしゃ。観るだけで浄化されるような、エネルギーがわくような、パワースポットのような。あんなに元気にが出る映画は久しぶりだ。
ああ、なんだか北インドに行きたくなってきた。まだ行ったことのない所、みたことのない景色。いいなあ。
インドは映画大国だけれど、みんなが知っている作品はそれほど多くない。よっぽどの通でもない限り、時々生まれる大ヒット作品くらいしか知らないと思う。インド映画だけではなく、韓国映画、中国映画あたりもそうかな。
でも考えてみれば20年前、30年前、40年前は、映画といえばハリウッド。映画館で上映される作品は洋画か邦画に区別され、洋画:邦画はせいぜい7:3くらいの割合だったと思う。洋画とはほぼハリウッド映画のことで、ときどきフランス映画か香港映画が混ざっていた。(わたしはジャッキー・チェンの香港アクションコメディーの大ファンだった)
今やハリウッド作品の比率はだいぶ下がった。ハリウッドを含めた洋画は全体の3割くらいではないか? 洋画:邦画:アニメ:その他で、3:3:3:1くらいな感覚である。
洋画のなかでもハリウッド偏重ではなく、韓国映画をはじめいろんな国で制作されたクオリティの高い作品が観られるようになった。
邦画も(邦画という言い方が古臭い)この数十年でかなりレベルが上がった。今年のアカデミー賞で堂々たる評価を得た「ドライブ・マイ・カー」。個人的には好みでないけれど素晴らしい映画。このクオリティの作品をたまたまじゃなくかなりの頻度で今の日本映画は作るのだ。すごいことだ。数十年前には想像できないこと。
アニメも、「ドラえもん」のような当時も今も楽しまれている作品がある中、フルCGの作品も作られる。
多様になった。
多様性時代以前の映画に「トップガン」というのがあった。トム・クルーズを大スターにしたことで有名なこの映画、まちがいなく80年代を代表する映画の一つだと思う。
そのころソ連はまだ崩壊しておらず、トム・クルーズは若手の大スターではあったが、今ほどの大御所レジェンド感はないことを考えれば、月日は過ぎたんだなあと感慨深いものがある。
今年、その続編がついに公開される。オリジナル「トップ・ガン」の中でトムのライバル、アイスマン役で出て(主役に負けない人気があった)、バル・キルマーも出演するという。
時代が変わってどんな続編になるのか・・・この映画に限っては事前情報ゼロの状態で映画を楽しもうと決めているわたしである。